ココが社長室

植田正也 様

植田正也(うえだまさや)様

1937年静岡県佐倉生まれ
早稲田大学文学部仏文科卒。
読売広告社、日本デザインセンター、マドラなど広告会社、広告制作会社を経て1990年よりフリーランサーとして独立。

現在、早稲田大学大学院・アジア太平洋研究センター「早稲田大学ビジネススクー ル」講師、東京コピーライターズクラブ(TCC)会員(1998年退会)、日本ペンクラブ会員、日本広告学会会員、清水エスパルスアドバイザー、広告革新塾主宰・塾長。

【著書・論文】

  • 『広告と広告会社の未来』(早稲田大学、1967年)
  • 『1990年へ勝つ広告ビジネス』(宣伝会議、1986年)
  • 『トヨタの宣伝戦略』(講談社、1987年)
  • 『ビジネス戦略戦術講座-全20巻テープ10巻』(講談社、1988年、共著)
  • 『アドバタイジング・イノベーション』(誠文堂新光社、1989年)
  • 『大広告百科』(電通、1990年)
  • 『電通鬼十則』(日新報道、2001年)
  • 『2005年の広告会社』(日新報道、2002年)
  • 『CM通信簿・CM紙写室』(フジサンケイビジネスアイ、2004年-2008年連載)
  • 『2010年の広告会社』(日新報道、2006年)
  • 『2015年の広告会社』(日新報道、2011年)

その他、論文、評論、対談、新聞・雑誌執筆など多数。


「ココが社長室。」第4回目のゲストは、『2015年の広告会社』の著者・植田正也様です。
植田様の著書に感銘を受けた社長・中尾の熱烈なオファーによって、弊社にて二日間に渡ってご講演いただきました。

「植田正也様にご講演いただきました。」
こちらでは、講演前の対談の様子をお届けします。

中尾:植田先生の著書『2015年の広告会社』についてですが、ここに書かれていること、例えば高度経済成長期につくられたマージン制というビジネスモデルをフィー制にするというお話も、とらえ方によっては過激というか、広告代理店にとっては「とんでもない!」「そっとしといてくれよ」っていうような内容ですよね。

植田さん:「お前に言われたかねえよ」と言われることもありますよ。でも、あの時代は完璧なものだったけど、もう時代が変わってしまったんです。

中尾:ええ、僕もそう思います。当時はマージン20%でもクライアントも成長していたし、それでよかったですが、今はむしろそんなに取るの?っていう時代です。

植田さん:そうだよね、何もやってないのにこんなに取るのかと。

中尾:そんな中で『2015年の広告会社』という本を出版され、僕はものすごく衝撃を受けたんですよね。本質を語ってると感じたんですよ。文中では80%の広告マンが市場から消えるとおっしゃっていましたが、とてもシビアな見方ですよね。

植田さん:それは、僕はやっぱり広告ビジネス、コミュニケーションを生むビジネスが好きだからあえてシビアに言っているんです。好きだからこそ、このビジネスを絶やしてはいけないっていう風に思う。人生でずっと広告に関わってきて、この業界にお世話になったし天職だと思っているから、その恩をなくすようなことをしてはいけないと。それ以上でもそれ以下でもないね。

中尾:ほとんどの広告会社がつぶれていくか、リストラの可能性があるということを予言されているのは、広告業界が好きだからこそ、愛があるからこそ、現代の広告業界へ警鐘を鳴らしているのですね。

植田さん:今回の著書は特にそうですね。だから、こういうふうに変えなさいっていう答えを用意しました。答えを出さないと単なる批判、批評になってしまうから。ただ、人間は20年~30年間ひとつの世界に浸ると、そこからなかなか発想を変えることができなくなってしまうので、理解してもらうのはなかなか難しいのかなと考えています。これには私にも責任があると思っているので、最近は色んなところへ出かけて言いっています。

中尾:それは、我々がなんのため、誰のために存在し、事業をやっているかという根本的な話につながりますよね。

植田さん:最近うれしいのは、僕に影響されたのではなく、もともとこういう考えの若い人が全国で、ぽつぽつと自然発生的に出てきていること。これで拍車が掛かればいいなと思っているんだけど、時代の流れとして歴史を見てみると、いつの時代もそういう新しい力が出てくるんだよね。僕はこの本を書くことで背中を押すように後押しができれば、意外と早く歯車が回転するかもなと、思い始めてきました。やっぱり時代ってそういうものを呼び込む、目に見えない力があるんだと思う。このビジネスが好きだから、得にもならないことをシャカリキになってやっています。変わらないと生き延びられないっていう思いがすごく強いから。

中尾:変化していかなければ生きていけないと言われている一方で、やっぱり変化できない人は多くいますよね。徐々に変わればいいと言っても、突然、変化の波がきた時には対応できない。結局、僕らのビジネスの根本にあるのは人材だと思います。だから僕は、企業が変わっていくには一人ひとりの考え方を変えていかなければ変わらないと思うんです。たとえそれが小さな変化だとしても、年輪のように大きくしていけば、いつか時代は変わるんじゃないかと思っています。

植田さん:同感ですね。私も中尾社長に負けないように、これからも精力的に動いていきますよ。大好きな広告業界のためにもお互い頑張りましょう。

中尾:はい。よろしくお願いします。